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【他人の経験から学ぶべし】株式投資においては「失敗から学ぶ」ことが命取りになることもある

”失敗から学べ”

という言葉をよく読んだり聞いたりします。この言葉は、おそらく時代を超え、洋の東西を超えて語られる普遍的な金言なのでしょう。ですが、株式投資に限れば、これは間違っていると個人的には考えています。たった一度の失敗が命取りになることもあるからです。

株式投資で重要なのは「小さな失敗(損失)に抑えること」「他人の失敗から学ぶこと」の2つです。

確かに、自分自身の失敗から学ぶことは大切だと思います。失敗をすることでしか得られない貴重な経験ができますし、失敗したことで、次に何かにチャレンジする時に他の人よりもうまくできるかもしれません。

しかし、まず意識すべきは「いかに失敗を回避するか。失敗したとしても、いかに小さく抑えるか」という事であり、そのための最高の手段が「他人の失敗から学ぶこと」です。失敗はしないに越したことはありません。他人の失敗から学ぶことで自分の失敗を回避できるのであれば、それ以上に素晴らしいことはないでしょう。

この記事では、「他人の失敗から学ぶ」という漠然としたテーマに対する個人的な考えを、自分への戒めの意味も込めてつらつらと書いていきます。図表などはなく文字ばかり(おまけに長い)ですが、ぜひ読んでみて下さい。

1.回避できた失敗を犯すことから学べることは何もない

長年にわたって大小さまざまな失敗を繰り返し、それをあたかも自分の強みであるかのように宣伝している自称プロの投資家の方がたまにいますが、そのような人は信用できません。彼らは多くの場合、

「ITバブルやリーマンショックで何度もどん底を経験した私だからこそ分かる、株式投資で絶対に失敗しないための○○の方法…!」

的なセリフを売り文句にして株式投資の必勝法を伝授してくれるわけですが、たぶんうまくいきません。

まず第一に、株式投資で絶対に失敗しない方法は存在しません。次に、何度も失敗している人が「絶対に失敗しない方法」を説いても説得力がありません。

最後に、この自称プロ投資家が犯してきた多くの失敗は、恐らく回避できたであろうものばかりです。同じような失敗を何度も繰り返しているわけです。

そして、この「同じような失敗」は、世界中の多くの投資家も同様に繰り返しています。共有されていると言っても過言ではありません。なので、それらの失敗を回避する方法も、当然ながら容易に知ることができます。株式投資の専門書を1~2冊読めば、ほとんどの「失敗を回避する方法」を見つけることができるはずです。

例えば、ITバブルやリーマンショックなどで損失を最小限に抑えるためには、以下のようなアドバイスに従う必要があります。

  1. IT銘柄は値動きが激しく投機的な性質を帯びやすいため、ポートフォリオに占める割合を小さく抑えるべきだ
  2. 信用取引や空売りは難しい上に失敗すると損失が膨大になるため、(初心者は)手を出さない方がよい
  3. 購入した株式の価格が平均取得単価から8%下落したら、例外なしに問答無用で損切りしなければならない
  4. 買いのルール(どのタイミングで、何をどれだけ買うか)だけでなく、売りのルール(いつ、どうなったら売るか)も作るべきだ
  5. 市場に逆らってはいけない。弱気相場の時は、ただ傍観者になる方がよいこともある

上で挙げたアドバイスは、すべて以下の書籍に書かれているものです。

話が逸れるのでここではあまり紹介できませんが、この書籍はかなりおすすめです。株式投資に関する書籍はいろいろと読んできましたが、個人的に、ベスト3に入ります。影響を受けた度合いで言えば、ナンバーワンです。

私の基本的な投資スタイルは「逆張りのファンダメンタルズ重視(テクニカル分析は、今のところ全く分からない)」なのですが、この書籍では逆張りを徹底的に否定しています。また、ファンダメンタルズ分析と同等かそれ以上に、テクニカル分析の重要性を説いています。

要するに、私の投資スタイルを完全に否定するような内容になっているわけですが、あまりにも説得力があるため、納得せざるを得ません。630ページもあるので重たいのですが、それにもかかわらず留学先に持参して何度も読み返しています。私のような「バフェット信者」には刺激が強いですが、とてもおすすめです。

さて、話をもとに戻しますが、回避できる失敗を犯しても、そこから得られるものは何もありません。ただただ、以下のサイクルを繰り返すだけです。

書籍を読む→多くのアドバイスが書いてある→読んで分かった気になるが、実践するには至らない→失敗する→後悔する→また書籍を読む(始めに戻る)→…

私自身、人生におけるいろいろな場面で上のようなサイクルに何度も陥っているわけですが、このような経験の後に残るのは「やっぱりアドバイスに従っておけばよかったな」という後悔と損失だけでした。失敗する前と比較して賢くなれるわけではありません。

これでは、何度失敗を繰り返しても経験を積んだとは言えないのではないでしょうか。これが株式投資であれば、一度の損失ですべてを失う可能性もあるわけです。そう考えると、回避できる失敗を犯すという事が如何に危険であるかが良く分かります。このようなケースで大きな損失を出して株式投資を辞めてしまうというのでは、あまりにも勿体ないと思います。

ただ純粋に、信頼できる人や書籍が語っていることに、まずは従うべきです。

2.大切なのは「失敗しないように最善を尽くす」こと。そのためにできる最良のことは「他人の失敗から学ぶ」こと

「失敗しないように最善を尽くす」というのは、結局のところ「他人の失敗から事前に学ぶこと」とイコールです。書籍で書かれている多くのアドバイスや方法論は、当然ながら著者の経験・失敗に基づいています。

それらを頭に叩き込んだ上で自分の投資行動に反映し、失敗・損失をできる限り回避しようとする試みが「入念な準備」なのであり、それをきっちりと行うことが「最善を尽くす」という事だと思っています。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

というビスマルクの有名な言葉がありますが、ここでいう「歴史」という言葉は「自分以外の経験」という意味です。必ずしも「歴史」である必要はありません。「歴史から学ぶ」となると、なんだか過去の株式市場を何十年、何百年にもわたって分析し、そこから何かしらの法則を導き出してそこから学ぶ…というような、なんとも壮大な妄想に陥ってしまいそうです。

ですが、ただ単純に「他人の失敗から学ぼう」と言っているだけだと考えれば、上記の言葉も、とても身近に感じられるのではないでしょうか。歴史から学ぶよりもはるかに簡単です。

「歴史から学べることは、人が歴史から学ばないということである」

という、これまた有名な言葉をウォーレン・バフェットが言っているように、「歴史から何かを学ぶ」という行為は、実は人間が最も苦手とすことなのかもしれません。

というわけで、私はビスマルクの言葉を少し変換して、以下のように勝手に解釈しています。

「愚者は経験に学び、賢者は”他人の経験”に学ぶ」

自分の経験から学ぶという事は、痛い目・ひどい目に逢うという事です。場合によっては誰かに迷惑をかけることになります。あなたが自分自身で辛い思いをする必要はありません。それは書籍の著者やその他の投資家に任せましょう。そしてあなたは、彼らの失敗から学んで自分の行動に反映し、損失ではなく利益を、愚者ではなく賢者を目指しましょう。

3.人の失敗から学ぶために有効なこと

そうは言っても、人の失敗から学んで自分の行動に反映するというのは、思っている以上に難しいことです。これができないがために、今も昔も、世界中の多くの優秀な投資家が大きな損失を出し続けるのです。

人間は、何かを判断する時にさまざまな心理的なバイアスがかかってしまうため、大事な場面で、いわゆる「合理的な行動」を取ることができません。このことは、以下の記事で書いているように行動経済学を学ぶことで理解が深まります。

他人の失敗から学んで自分の失敗を回避するに越したことはない、そんなことは誰もが理解しているわけです。ですが、これを毎回確実に実践できるかといわれると、それがなかなかできません。これは人間である以上どうしようもないため、根本的な対処方法を見つけることは恐らくできません。

ですが、なるべく他人の失敗を素直に受け入れ、それを自分の投資行動に少しでも反映できるのであれば、それに越したことはありません。

一体どうすればいいのでしょうか。

裏技的な、速攻性のある必殺技はありませんが、個人的に最強だと考えている方法は、以下のようなものです。

”自分がアドバイスをする側になってみる”

これだけです。シンプルすぎるでしょうか。

あなたが誰かにアドバイスをする時のことを思い出してください。友達や家族、後輩などに、何かしらのアドバイスをしたことがあると思います。その時、どんな気持ちでアドバイスをしたでしょうか。恐らく、自分の経験・失敗を踏まえて、「絶対にこうした方がいいよ!」、「これだけは絶対にしない方がいいよ!」と、心の底から相手のことを想ってアドバイスをしていたのではないでしょうか。

そして仮に、その相手が自分のアドバイスに従わずに自分と同じような失敗をしてしまったとしたら、「だから言ったやん。。あれだけ細かく伝えたのに…なんで言うとおりにしないかなぁ…」と心底がっかりするのではないでしょうか。

書籍にある多くのアドバイスも、あなたが誰かにアドバイスをする時と同じ気持ちで書かれています。あなたが誰かにアドバイスをする時と同じ気持ちで、著者はあなたにアドバイスをしています

  1. IT銘柄は値動きが激しく投機的な性質を帯びやすいため、ポートフォリオに占める割合を小さく抑えるべきだ
  2. 信用取引や空売りは難しい上に失敗すると損失が膨大になるため、(初心者は)手を出さない方がよい
  3. 購入した株式の価格が平均取得単価から8%下落したら、例外なしに問答無用で損切りしなければならない
  4. 買いのルール(どのタイミングで、何をどれだけ買うか)だけでなく、売りのルール(いつ、どうなったら売るか)も作るべきだ
  5. 市場に逆らってはいけない。弱気相場の時は、ただ傍観者になる方がよいこともある

自分が誰かにアドバイスをする側になった時の気持ちを思い出してみる。これは案外、単純ながら有効な手段だと思います。これだけでも、相手がどんな気持ちで自分にアドバイスをしてくれているのかを意識できるようになり、その結果、他人のアドバイス(失敗)を素直に受け入れやすくなります。

私自身、このサイトを通して自分の考えを発信するようになってから、「自分の考え・経験・失敗を発信するというのは、こういう気持ちなのだな」という事を改めて実感しています。そして、それによって、他人(主に書籍)の失敗から学ぶことの大切さを、より一層意識するようになりました。

おわりに

他人の失敗から学ぶことは、株式投資をする上で最善・最強の学習方法です。自分で痛い思いをする必要はありません。

自分の失敗から学ぶことも大切ですが、大前提として、失敗はしないに越したことはありません。間違いを犯さないために最善を尽くした結果、それでも間違ってしまったのであれば、それは仕方がありません。むしろ、そこから学べることが必ずあるので、それを次に生かすことで、他の多くの投資家の一歩先をいくことができます。

頭では分かっているのになかなか実行できないことってたくさんあると思いますが、これらをいかに「行動に反映できるか」が、株式投資で成功する上で実は最も大切なんじゃないかなと思う今日この頃です。もちろん、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析も同じくらい重要なのですが。。

以上、ダラダラと文字ばかりで申し訳ありませんでした。最後まで読んで頂きありがとうございました。この記事が役に立ちましたら、シェアして頂けると嬉しいです。

ともに頑張りましょう。

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