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最終判断を下すための3つの質問

はじめに

ここでは、これまでの分析結果を総合的に判断して、実際に株式を購入するか、あるいは購入を見送るかの最終的な判断を下すための確認項目を、3つの質問という形でまとめています。

ここまで分析を深めてきたという事は、投資先として有望である可能性がかなり高いと言えます。あとは、自分が本当にその企業のことを理解できているのかという最終的な確認と、自信をもって株式を購入するための明確な理由を整理するだけです。

これだけの分析をクリアして購入した企業の株式は、あなたに利益をもたらすだけでなく、安心して株を保有していられるという平穏な日々も与えてくれるでしょう。

これからは、ランダムに変動する相場に一喜一憂したり、日々発表される世界各地の経済状況に恐怖して株を手放してしまうといったことはないでしょう。むしろ、株価が大きく下がれば、そこで追加購入をすることで取得単価を下げるといった大胆な行動まで取れるようになります。

では、いきましょう。

質問① その企業の強み・特徴を一言でいうと何か?

どれほど時間をかけて企業を分析したとしても、その企業についてシンプルに説明できなければ、本当の意味で理解しているとは言えません。

定量分析において、例えば、利益率が同業他社と比較して際立って高い場合、それは何らかの強みがあるためです。その強みこそが、その企業が今後継続的に成長していくためのエンジンになります。

多くの場合、企業の決定的な強みや特徴は、1つか2つに集約されます。

これには答えはありませんので、あなたのこれまでの分析から「その企業の強みを一言で表すとしたら何か」という事を自問してみてください。その問いに明確な答えを出すことができれば、その企業について十分に理解できている証拠と言えるでしょう。

質問② 質問①で確認した強み・特徴を武器に、その企業は今後も継続して成長することが見込めるか?

先に述べた質問①の答えが、将来も継続して強みとして威力を発揮できるか、という事を改めて考えます。多くの場合、これはウォーレン・バフェットが言うところの「経済的な堀」を有しているか、という問いと同じです。

経済的な堀を一言で表すと、以下のようになります。

城を守る堀のように、競合他社から企業を守る継続的な優位性

(千年投資の公理 ~売られすぎの優良企業を買う~ より引用)

経済的な堀は、広く、かつ深いことが望ましいと言えます。堀が強力であればあるほど競合企業の脅威を回避し、長期間にわたって競争優位性を保てるとされています。

なお、経済的な堀を有する企業の探し方については「千年投資の公理 ~売られすぎの優良企業を買う~」の中で詳しく紹介されていますので、参考にしてみて下さい。

質問③ これまでの分析結果から、その企業の株は購入すべきか?

この質問に対する答えはシンプルです。その企業の本質的価値と比較して、現在の株価が割安であれば買い、割高であれば保留となります。

定量分析、定性分析をとおして企業を深く分析してきましたが、ここまで分析が進んだ企業はほとんどないと思います。ここまで分析が進んだということは、その企業の株は購入に値すると言えるでしょう。

しかし、最後に一つ確認すべき事項があります。それは、その株の価格です。定量分析のところで算出した概略の理論株価に対し、実際の株価は安いと言えるでしょうか。超有望な企業であれば、株が割安に放置されていることはほとんどありません。そのため、たとえ割安とは言えなくてもここで購入するという選択肢もありだと思います。

しかし、もし、明らかに割高と言える価格なのであれば、それは待ったほうが良いでしょう。なぜなら、これまであなたが多くの分析を通して導きだした結論を、他の多くの投資家も同様に導き出しており、その将来への期待がすでに現在の株価に織り込まれている可能性があるためです。

現時点の価格では割高であるため購入を控えたとしても、失望することはありません。市場は気まぐれに暴落と高騰を繰り返しているため、次の暴落がやってきた時、あなたの分析結果に変更がなければ、勇気を出して買い込みましょう。

暴落はいつやってくるのか、そしてどの程度のものなのかは予測することができませんが、売買の適切なタイミングとして考え得るいくつかのパターンは存在します。これについては売買のタイミングという記事で書いていますので、参考にしてみて下さい。いずれにしても、大切なのことは大きなチャンスが来るまで我慢するということです。

しかし、多くの場合これがなかなかできません。投資家は何もしないでいると、何かしないともったいないという心理が働き、その結果、よくわからない企業の株を買ってしまったりします。そして、そういう時に限ってその企業の株価は下落を続け、「せめてトントンになるまで」粘ろうとし、最終的には下落に耐えられず売ってしまい損失を出すというパターンに陥ります。

このようなケースを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。これは、誰もが経験することであり、それをゼロにすることはできないのかもしれません。ですが、過去に一度でも痛い経験をしているのであれば、そこから学ぶことはできます。

一つ確かなことは、「何もしない」ということは、「損をしない」ということです。人間は、利益を得ることよりも損失を回避する傾向にあるようです。そして、一度損失を出すと、その2~2.5倍の利益を出さなければ、損失によるショックを心理的に帳消しにできないことが証明されています。

つまり、一度負けを経験すると、その損失を取り戻すために大きく勝たなければ納得できず、その結果無謀な投資をし、そしてさらに大負けする、という負のスパイラルに陥ります。これは、過去の経験を生かすことができなかった最たる例でしょう。

そこからまた投資をできる資金があればいいですが、このようなケースで資金をすべて溶かしてしまい、株式投資から手を引くというのでは、あまりに悲しいと言えます。

大切なのは、何事においても、いつの時点においても、焦らないことです。時間をかけてじっくりと分析し、有望な企業が見つかったのであれば、その企業の株価が適正な価格に下がるまで辛抱強く待てる強さを身につけましょう。

おわりに

一般に、株価は将来の期待が現在の株価として現れます。そのため、成長が期待されている企業の株価は高くなる傾向がありますし、衰退していくと考えられている企業の株価は安くなる傾向があります。そのため、成長が期待でき、かつ安い株と言うのはほとんど存在しません。当然と言えば当然ですね。

ですが、稀にそのような企業が見つかります。そしてそれは、時間と労力をかけて企業をじっくり分析しなければ、見つける事は出来ません。割安に放置されている有望な企業の株が見つかったという事は、世間の認識とあなたの認識にギャップがあるという事であり、株式投資とは結局のところ、他の投資家との認識のギャップを発見し、そのギャップが埋まる過程での利益を追求する活動です。

このような方法は時間がかかるかもしれませんが、日々トレードを繰り返してその都度利益と損失を繰り返すよりも、じっくりと構えて大きく儲ける方が、長期的に見れば大きな利益を得られるものと信じています。

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