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寄り添う理論

はじめに

ここでは、私が参考にしている投資理論について簡単に触れます。投資スタイルは人によってさまざまであり、大きくいくつかに分類することはできても、細かいことまで考慮すると、無限にあると言っても過言ではありません。それこそ、100人いれば100通りの投資スタイルがあるでしょうし、それで構わないと考えています。

ここで紹介する内容は、あくまでも私が個人的に大切にしている考え方であり、私が株式投資を学んだり実践したりする上で決して忘れてはいけないと考えているもの、あるいは、判断に迷ったときに立ち返ることで冷静になれるものです。投資スタイルはさまざまでも、自分の中で核となる考えや投資哲学を構築し、それを遵守する必要がある点は全ての投資家に共通しています。そのため、あなたはあなた自身の投資哲学を構築する必要があります。

ここでの内容が直接的に役に立つかは分かりませんが、少しでも何かの参考になれば幸いです。

1.バリュー投資に基礎を置く

株式投資には様々な方法論がありますが、私が実践しているのはバリュー投資に基礎を置いたものです。バリュー投資は、証券分析の生みの親と言われるベンジャミン・グレアムが考案した投資理論のことで、ウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーなど、世界トップクラスの投資家が採用している投資スタイルです。なお、バリュー投資について詳しく知りたい方は「賢明なる投資家 ~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~(著者:ベンジャミン・グレアム)」を読んでみて下さい。

私がバリュー投資に基礎を置く理由は、大きく分けて2つあります。

①バリュー投資が王道だと信じている

これは完全に個人的な意見ですが、私はバリュー投資が投資の王道であると信じており、何事も王道を行くことが成功への一番の近道だと思っています。基本的な考え方と心構えでも書いているとおり、バリュー投資の考案者であるベンジャミン・グレアムは投資を以下のように定義しています。

投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという。

(賢明なる投資家 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法 より引用)

投資という行為を定義する上で、これ以上の表現はないと思います。2.でも述べるとおり、バリュー投資では企業の価値と価格に着目し、それらのギャップが埋まる過程で利益を得ます。効率的市場仮説を信じる人からすれば、価値と価格にギャップがあるという考えがそもそもあり得ないため、バリュー投資の考え方そのものを否定したくなるかもしれません。

しかし、私個人としては「市場はほとんどの場合効率的だが、たまに間違うこともある」というバリュー投資家の主張の方がしっくりきますし、著名なバリュー投資家の実績を見ても、運が良かったの一言では片づけられないレベルで長期的に市場を上回っています。この圧倒的な実績が、バリュー投資こそが王道であるという考えに根拠を与えてくれています。

②事実に基づいた手法である

バリュー投資では企業価値を算出するために財務諸表を読み込みますが、これらのデータには事実しか書かれていません(粉飾決算などの不正は別です)。つまり、バリュー投資は企業の過去の実績に重きを置いており、市場ではなく企業を見る投資手法と言えます。

分からない市場の未来を占って自分の資産を投じるよりも、既に分かっている企業の過去を分析して資産を投じる方が、シンプルに考えて勝てる確率が高いと思います。

2.価値と価格の2つに着目する

バリュー投資はとてもシンプルで、決して難しい理論ではありません。企業の本質的な価値と、実際に市場で取引されているその企業の株式の価格を比較し「企業の価値>株の価格」であれば買い「企業の価値<株の価格」になれば売ります。それだけです。

ファイナンスの教科書などに必ず載っている資本資産評価モデル(CAPM)や、市場全体に対する個別銘柄の株価の変動の度合いを数値化したベータ値(β)などについても、あまりこだわらないようです。

バリュー投資とは簡単に言えば、「1ドルを50セントで買う」投資方法のことです。本来は1ドルの価値があるものを半額の50セントで買えるのであれば、お得に決まっています。それを別の誰かに1ドル、あるいはそれ以上で売ることができれば、リスクを取らずに利益を出すことができます。バリュー投資が目指すのは、究極的にはこのような取引を行うことです。これを企業に適用して株式投資という手段を使って利益を出すことを目的とします。

しかし、シンプルなものほど奥が深く、言葉で説明するほど簡単にはいきません。まず、企業の価値を正確に出すことができません。次に、仮に企業の価値を出せたとしても、「企業の価値>株の価格」になるまで待てません。ほとんどの株は割安に放置されていることはありませんので、多くの場合「企業の価値≦株の価格」で株を買ってしまいます。普通に考えれば、1ドルの価値があるものを50セントで売ってくれる人なんて滅多にいません。

ですが、たまにいます。それは売買のタイミングで紹介したような、株が叩き売られるようなケースです。このような時は、多くの人が不安から株を売りまくるため、ある程度の損失が出ても、それは仕方ないと割り切って安く売ってくれます。

ここで学ぶべきことは、企業価値を正確に出すことではありません。むしろ逆で、企業価値は正確に出すことはできないと割り切ること。そしてもう一つ、ざっくりと出した企業価値と比較して株価が安くなるまで待つこと。この2つです。

3.固執はしない

バリュー投資が考案されたのは、今から何十年も前のアメリカであり、当時と現在では株式市場の状況が全く異なります。また、アメリカと日本という国の違いもあります。そのため、バリュー投資の理論に基礎を置きつつも固執はせず、必要に応じて修正を加え、様々な書籍を読んだり実際の取引を通して、自分なりの投資スタイルを構築していく必要があると考えています。

例えば、バリュー投資では中・長期ホールドを基本としますが、個人的にはこれに固執する必要はないと考えています。運用資金が大きければ、①スーパースター企業を見つけ、②その株を安く買い、③長期間保有すること、これだけで大きな運用利益を得ることができます。しかし、運用資金が小さいうちは、ある程度の頻度で売買を繰り返して資産規模を大きくする必要があります。

そのため、例えば昨日購入した株が、今日5%値上がりしたとします。そして、それによって十分な利益を上げられ、自分の中で納得できるのであれば、売却して利益を確定させれば良いと考えています。「こうするべき」と言う指針はあっても、「こうしなければならない」というルールはありません。

ただし、2.で述べたとおり、①企業の価値をざっくりと出すためにきちんと分析すること②価値と比べて価格が安くなるまで辛抱強く待つこと、この2つを外すことはしません。ここはきちんと行い、明確な根拠を持って株式を購入することができれば、それをどのタイミングで売却するかは人それぞれです。

どのような理論に基礎を置いていたとしても、必要に応じて投資スタイルを柔軟に変化させ、自分自身の投資スタイルを追求するという姿勢が大切だと思います。

おわりに

当サイトでは、これまで述べてきたような考えをベースとして蓄積してきた知見を紹介しているに過ぎないため、私の個人的な意見や考えが反映されています。そのため「これが正解だ」と自信を持って言えるものではありませんし、他の手法(例えばテクニカル分析)が間違っていると言うつもりもありません。何度も言うように、投資スタイルは人それぞれだからです。

ですが、企業の価値に着目し、ファンダメンタルズ分析を基本としたバリュー投資こそが投資の王道であると私は考えており、何事も王道を行くことが成功への一番の近道であると信じています。そして、王道の手法に基礎を置いて作成している当サイトを、一人でも多くの方の学習に役立つものにしたいと考えています。

株式投資を学ぶには時間がかかりますが、楽して大金を稼ぐ裏技はないのだと腹をくくり、継続的に利益を出せる投資家を目指してともに頑張りましょう。

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