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主な情報源とその活用方法

はじめに

株式投資をする上では、さまざまな情報を集め、分析し、総合的に判断を下す必要があります。プロの機関投資家であれば、分析対象企業を訪問して工場を見学できたり、社員や取引先の人間、あるいは企業の経営トップといった重要人物の話を直接聞くことができます。しかし、ほとんど全ての個人投資家には、こうした方法での情報収集は出来ません。

つまり、情報収集という点に限って言えば、個人投資家は機関投資家よりもかなり不利だと言えます。しかし、だからと言って個人投資家が利益を出せないわけではありません。個人投資家には個人投資家にしかない強みがありますし、機関投資家には、機関投資家であるがゆえの弱みもあります。

ここでは、個人投資家が機関投資家に対して不利であると考えられる情報収集とその活用方法に焦点を当て、個人投資家が利益を出すために限られた情報源をどのように活用すべきか、という事について書いていきます。目新しいものや画期的なものを紹介することはできませんが、欲しい情報を調べるための手段はたくさんあるという事を認識しておくだけでも、心強いと思います。

1.インターネット

個人投資家にとって最も身近な情報源は、なんと言ってもインターネットです。これは機関投資家も同じですが、機関投資家は膨大な数の企業を調査しなければならないため、1つの企業にあまり時間をかけることができません。その点、個人投資家は自分の気になった企業を気の済むまで調べることができます。

ここで紹介する内容を参考に、インターネットをフル活用して可能な限り情報収集を行いましょう。

1-1.企業のホームページ

企業のホームページは情報の宝庫です。企業を知る上でまず確認したいのがホームページです。ホームページには、その企業が展開している事業内容はもちろんのこと、過去の各種IR資料や将来の中期経営計画などを確認する事ができます。以下、重要と思われるものを列挙します。

各種IR資料(有価証券報告書、決算短信、説明会資料など)

IRとは「Investor Relations」の略語で、企業が株主や投資を検討している人に対して財務状況や業績など投資をする上で必要な情報を提供する活動のことです。そのため、IR資料とは、まさに投資家のために作成された資料集ということです。

その企業が過去から現在に至るまでにどのような実績を達成してきたかのを、各種IR資料から確認する事ができます。代表的なものとしては、有価証券報告書決算短信月次報告決算資料の補足説明資料などです。ファンダメンタルズ分析を中心に株式投資を行う上で、IR資料を読まないという事はあり得ません。

また、多くの企業が主要な経営指標(売上高や各種利益、ROEなど)をグラフ化して表示していますので、そこをざっと見るだけでも業績の推移を概略的に把握する事ができます。

当サイトで紹介している企業分析の方法も、基本的には全てIR資料をもとに行うものです。元本の安全性を保ちつつ適正な利益を出し続けるためにも、IR資料は必ず確認するようにしましょう。

なお、企業によってはホールディングス体制(持株会社制)を取っているところもありますが、その場合はホールディングスのホームページを別で作成し、そちらにIR情報を集約しています。

図 ホールディングス体制のイメージ

例えば、家具の販売を主力事業として展開しているニトリはホールディングス体制をとっているため、「株式会社ニトリ」のホームページにIR情報は載っておらず、ニトリが展開している事業内容を中心にホームページが構成されています。IR情報は、その親会社である「株式会社ニトリホールディングス」のホームページに載っており、他にも連結しているグループ企業全体の情報なども掲載されています。もちろん、相互のホームページにリンクが貼られているため見つからないという事はないと思いますが、混乱しないように注意してください。

会社概要、サービス内容

企業の歴史や現在どのような事業を展開しているのかを確認するには、企業ホームページの会社概要やサービス内容を見るのが一番早いです。ホームページは企業の顔であり、投資家の他にも取引先や顧客などあらゆるステークホルダーが閲覧します。そのため、会社概要やサービス内容をとても分かりやすく紹介してくれています。

これらの情報は有価証券報告書からも確認できますが、いきなり読み込むとなると大変なので、まずはホームページで企業の情報をざっくりと掴み、より詳細に確認したい企業のみ、上で述べた各種IR資料を読み込むと良いでしょう。

トップメッセージ

企業の業績は、経営者の能力と人柄に大きく左右されます。ビジネス自体がもつ構造的な強みも大切ですが、それと同じくらい経営者の資質は大切です。能力があっても信頼できない人間であれば不正に手を染めるかもしれません。

トップメッセージにはあまり細かな内容は書かれておらず、挨拶程度ではありますが、短いからこそ、そこで一体何を述べているのかを見ておくことは重要です。それが夢や希望に満ちた内容になっていても、過去の実績がなければ信用できません。経営者は、実現可能な具体的なビジョンを数値で示す必要があります。次で述べる将来計画の内容と合わせて、経営者がどのような人間なのか、どのようなビジョンを描いているのか、そして、どれだけの実績を残しているのかを必ず確認するようにしましょう。

中期経営計画をはじめとした将来計画

上でも述べましたが、経営者の仕事は実現可能なビジョンを描き、それを達成することです。株主から出資を受けて事業を行っている以上、株主の期待に応えることは義務と言えます。最近はモノ言う株主が増えてきていることもあり、中期経営計画にROEの数値目標を掲げるなど具体的な計画を示す企業もあります。

最悪なのは、到底達成できそうもないビジョンをそれらしく語っている企業です。一見、夢と希望に満ち溢れた素晴らしい企業であるかのように錯覚してしまいそうですが、足元の利益水準を確認してみると「これでは無理だろ」と思わず突っ込んでしまうようなものもあります。

大切なのは、実現可能なビジョンを数値で示すことです。そして、そのビジョンが実現可能と信じられるかどうかは、これまでに目標を達成してきたという事実があるかどうかです。そのあたりは過去の決算書類から確認することができますので、そういった視点からも調査すると良いでしょう。

ホームページの使いやすさや情報量

ホームページは企業の顔です。ホームページがきちんと作られていない企業は、それだけで信用を失います。

  1. ユーザーの使いやすさを意識して作られているか
  2. IR情報は充実しているか
  3. 事業内容や商品を分かりやすく紹介しているか
  4. デザインは適切か
  5. レスポンシブデザインとなっているか
  6. その他気になる点

少なくとも、一人の閲覧者として上に挙げたような視点で不快に感じる点がないかを確認します。これらは専門的な知見から調べると言うよりも、純粋にホームページを閲覧していて使いづらいとか分かりづらいとか、そういった感情が湧くかどうかで判断できます。

個人的には、レスポンシブデザインになっていないホームページは見ていてイヤになります。ウェブサイトへのアクセスは既にパソコンよりもスマートフォンやタブレットといった端末からの流入が上回っているため、それに対応したホームページを作成していない企業は、それだけで不親切ではないかと感じてしまいます。

このあたりを気にするかどうかは個人差がありますが、こうした細かい点にも真摯に対応している企業は、他のもっと重要なことに対しても真摯に対応しているような気がします。

1-2.プロの企業分析内容を公開している企業のホームページ

いわゆる、プロが分析したデータを見ることが出来るサイトがあります。

例えば、シェアードリサーチというリサーチ会社は、投資家向けに企業分析レポートを無料で公開しています。

この会社が公開しているレポートは主に2つあり、1冊で企業の全てがわかる①企業徹底分析レポートと、そこから重要な部分だけを取り出した②エスプレッソレポートがあります。

企業徹底分析レポートはかなりのボリュームがあるため、読み込むには相当の時間が必要ですが、その内容は極めて詳細で、さすがプロの調査レポートだと思わず唸ってしまうほどです。しかも、企業が新たな情報を開示するたびにレポートも更新されるため、常に新鮮な情報を得ることができます。

その他の良い所としては、企業ではなく投資家の立場で作成されていることが挙げられます。中立・客観的な立場から企業を分析しています。したがって、レポートの中では収益予想や株価評価は提示されておらず、あくまでも、会社の本質を伝えることのみを目的としてレポートが作成されています。

プロの良質な分析レポートを無料で見られることはあまりないと思います。あなたが調べたい企業のレポートがあれば、それを参考にすることもできますし、どのような視点で企業を分析しているのかを参考にすることもできます。

あなたの分析とレポートで書かれている分析ではどう違うのかを比較してみることで、自分の分析内容を分析する、といった活用方法もあるでしょう。いずれにしても、良質な企業分析レポートが閲覧できるのであれば、それを利用しない手はありません。

1-3.各省庁のホームページ

国の施策にマッチする事業を展開している企業は、その恩恵を受けて業績が向上することが期待できるため株価が上昇する可能性があります。

例えば、国土交通省が2016年度から本格的に推進している「i-Construction」という施策があります。これは、土木や建築などの建設現場での作業効率を向上させることを目的として、3次元データを活用することを国の施策として推進しているものです。これまで建設現場では2次元データが主に使われてきましたが、それでは「計画→測量→設計→施工→維持管理」というサイクルのさまざまところで不都合が生じてきたため、これを解決することを目的としています。

この施策により恩恵を受けるのは、建設業界の中でも主に設計ソフトなどを販売している企業です。これまで2次元の設計ソフトを使用して図面を作成していたものを、これからは3次元に変えると国が言っているわけですから、業者としては3次元データに対応できるソフトを使用することが実質敵に義務付けられたことになります。そうすると、設計ソフトを販売している企業はほぼ確実に業者に購入してもらえることになります。

このように、国の施策によって業績の向上が期待できるようなケースはそれなりにあります。しかも、国が推進する施策は長期的なものが多いため、業績も安定的に向上すると考えられます。

他にも、日銀なども経済政策に関する重要な情報を開示したりしていますので、マクロ的な視点で眺めているといろいろと参考になります。ただ、私は経済政策はあまり気にしないため、勉強として資料を確認することはあっても、それを投資判断の材料にすることはありません。

いずれにしても、国の施策の恩恵を受けられる企業の株価は上昇することがよくあるため、広く浅くチェックしておくことで、思わぬ発見があるかもしれません。

1-4.その他

上記の他にも、確認したいことがあればインターネットで検索すればほとんどの疑問を解決する事が出来ます。例えば、企業の内情や給与水準を知りたければ口コミサイトを利用することが出来ますし、その企業が扱っている商品の評判も、同様に調べることが出来ます。

しかしながら、あなたが容易に入手できる多くの情報は、他の投資家も同様に入手できるという事を忘れないで下さい。また、信憑性が確認できない情報も多々あります。情報という点において他の投資家の先を行くためには、正しい情報を素早く入手するか、多くの情報を深く調べるかのどちらかしかありません。インターネットという最強の武器を最大限に活用し、投資にうまく役立てましょう。

2.会社四季報

2-1.会社四季報の構成

会社四季報(以降、本文中では四季報と省略します)は、東洋経済新報社が販売する株式投資のバイブル的なものです。日本の全上場企業のデータが掲載されており、1企業1ページと極めて簡潔にまとめられていながら、必要な情報は全て網羅されています。ぎっしりと情報が詰まっているため文字が小さく、ずっと眺めていると疲れてしまいますが、その点を除けば極めて重宝する情報源と言えます。

既に株式投資をされている方には説明は不要かもしれませんが、一応ここで簡単に紹介しておきます。まず、四季報の構成は以下の図のようになっています。

図 四季報の構成

(出典:動画で見る四季報のかしこい使い方 東洋経済新報社(一部編集))

四季報では、1つの企業につき上図に示す情報が記載されています。ここでは、これらの情報の中で重要と思われる6つの箇所(上図の太枠部分)についてそれぞれ説明します。

2-2.会社四季報で読むべきポイント

(1)会社名他

ここには、会社名のほかに事業の特色、事業構成が書かれています。ここで読むべきポイントは事業構成です。事業構成には、その企業が展開している事業の種類と、その下にカッコ書きで営業利益率が示されています。

複数の事業を展開している企業であれば、どのような事業を展開しているのか、どの事業が本業でどの程度の利益を上げているのか、足を引っ張っている事業はないか、といったことが一目で分かります。このような情報は有価証券報告書の中にも「セグメントごとの情報」として記載されていますが、四季報を見ればその概要が一発で分かります。

飲食チェーンが本業と思っていた企業が実は介護事業で収益の多くを得ていた…なんてこともよくあるため、その企業がどのような事業を展開しているのかという事は正確に把握するようにしましょう。

(2)記事

ここには、企業の直近の業績傾向を示す「業績欄」と、今後株価に影響を与えそうな情報を示す「材料欄」が書かれています。これはどちらも見ておくと良いでしょう。どちらも簡潔に要点がまとめられているため、その企業の現状を一目で確認する事ができます。特に「業績欄」では【最高益】【上向く】と言ったポジティブなワードがあれば、業績が好調であることが伺えます。

(3)株主

ここには、株主の構成が書かれています。株主の構成は見落としがちですが、意外と重要です。例えば、経営者が大株主であるような企業、つまりオーナー経営企業では株価が上がる傾向があります。経営者=株主であるため、自分の持株の価値を上げるために経営者が必死になるからです。

オーナー経営企業は意思決定が速い、株価が上がりやすいなどのメリットがありますが、独善的な経営に陥る危険性があると言ったデメリットもあります。そういう意味では、経営者の能力や人柄をしっかりと確認することが求められます。

また、外国人投資家の割合が徐々に上がっている企業も株価が上昇しやすい傾向があります。外国人投資家は業績の良い企業、今後株価が上がりそうな企業にしか投資をしないため、外国人投資家の割合が徐々に増えているという事は、それだけ今後の株価上昇が期待されていると考えることができます。

(4)財務

ここには、発行済株式総数や自己資本比率、利益剰余金、有利子負債額、ROE、ROA、調整1株益(EPS)、キャッシュフローなどさまざまな情報が書かれています。

ここを確認するだけで、その企業の大まかな財務状況は分かります。また、後で述べる「(6)業績数字」に書かれている純利益の数値と合わせて考えることで、有利子負債が純利益の何倍程度あるのか、営業活動キャッシュフローと純利益額にあまりにも大きな差はないか、と言った簡易的な分析もできます。

(5)本社住所他

ここには、本社所在地や従業員数、従業員の平均年収などが書かれています。ここで確認すべきは平均年収です。単純に、平均年収が高いと従業員の士気が上がりますし、逆に平均年収が低いと社員の士気が下がって離職につながるからです。業界の平均的な年収なども参考にしなければ詳細は分かりませんが、明らかに低い水準であれば、従業員のモチベーションも低い可能性があります。

また、これは参考程度ですが、本社住所が地方の場合、証券アナリストがカバーしていない可能性があるため、市場の認知度が低く割安に放置されている可能性もあります。これはおまけのようなものですが、そういった見方で認知度が低い有望企業を探してみるのも良いかもしれません。

(6)業績数字

ここには、過去数年間の業績と、四季報独自の業績予想(今期、来期の2期分)、企業独自の業績予想(今期のみ)、配当の情報などが書かれています。

ここで重要なのは、まず過去の業績が安定して右肩上がりになっているかという事です。過去の業績が安定してないと、今後の業績を予想することが困難です。次に、ここに示される業績の数値を使って、各種利益率を算出できます。競合企業と比べて利益率が高い企業は独自の強みを持っている可能性が高いため、そうした企業を見つけるのに適しています。

また、先に述べたとおり「(4)財務」に示されている各種数値と合わせて確認する事でいろいろな分析ができます。

このように、四季報を使えばかなりの情報が得られます。証券会社などが提供しているスクリーニング機能を使うのも便利ですが、ここで述べたように四季報を使って企業を1つ1つ見ていくことで、スクリーニングでふるいにかけられてしまったお宝銘柄に出会うことができるかもしれません。

2-3.会社四季報を読む際の注意点

四季報は便利ですが、読む上でいくつか注意すべきことがあります。どこに重きを置くかは人それぞれなので、参考程度に読んでみて下さい。

注意点1:四季報の業績予想には要注意

四季報の特徴は、四季報が独自に業績予想をしている点です。これが強気であれば、株価は上昇する可能性があるという事でポジティブな材料として認識されます。しかし、常に保守的に考えるクセがついている私としては、これは信じないようにしています。

結局、予想は予想でしかないからです。また、予想が強気であればあるほど、その期待に企業が応えられなかった場合に株価は暴落します。そのため、四季報予想が会社予想より高い場合は会社予想を信じ、四季報予想が会社予想より低い場合は四季報予想を信じる事にしています。

注意点2:四季報は企業の直近の情報しか書かれていない

四季報は情報の宝庫であるため、ここに書かれている情報だけでも投資判断を下せてしまいそうです。ですが、それはやめた方が良いと思います。四季報に書かれているのは企業の現在に関する情報のみであり、企業の過去の情報はほとんど書かれていません。ですが、その企業が本当に実力を持っているかは過去何年間もさかのぼって調べてみないと分かりません。

四季報はあくまでも「企業を知るため」、そして「一次スクリーニングのため」に使うようにしましょう。

3.業界誌等を含む各種書籍

他の投資家の先を行くという意味では、やはり有料の情報を手に入れることが一番でしょう。インターネットで得られる情報は、無料であるがゆえに誰でも手に入れられる上に、情報量が多すぎて、何が正しくて何が間違っているのかと言う判断も難しくなってきています。

その点、業界誌や参考書などは、有料である分、自分の調べたい情報がピンポイントで、分かりやすく、簡潔にまとめられています。そして何より、情報の信頼度が高いです。

その中には、当然ながらインターネットでは手に入らない貴重な情報も数多くあります。業界誌などでは、企業の経営者がインタビューに答えていたりもするので、それがあなたの調べている企業であれば、ラッキーです。

私は、とにかくいろいろな本を読むようにしています。当サイトで紹介している参考書籍は勿論ですが、他にも気になる業界の雑誌や、あるいは、投資とは全く関係ない書籍も多く読んでいます。

純粋に本を読むのが好きと言う事もありますが、それ以上に、いろいろな情報・考えに触れることで、自分本位な偏った思考に陥ることを防げるというのが大きな目的です。

例えば、自分が何かに対して意見を持っていたとして、それについて書かれた本を一冊読んでみるとします。すると、その本の中では、その分野の専門家が、自分の意見を100%否定し、全く逆の理論を展開していたりします。しかも、その主張には説得力があります。そうすると、自分の考えを完全に否定されるわけですから、当然、悲しくなります。

ですが、そうしたことを繰り返しているうちに、多くの物事を客観的な視点で眺めることができるようになってきます。自分の意見や願望は横に一度置いておいて、そこに書かれている客観的な事実のみを見ることができます。

株式投資で下すさまざまな判断は、その多くが客観的であることが求められます。にもかかわらず、どうしても主観的な判断、自分の願望に基づいた判断を下してしまいがちです。そうした誤った思考に基づいた判断をしないためにも、いろいろな書籍を読むことをおすすめします。

4.コンビニエンスストアや実際の店舗

4-1.コンビニエンスストア

お菓子や食料品を扱う企業であれば、例えばコンビニエンスストアやスーパー等に行った際に、その企業の扱っている商品の売れ行きを確認してみましょう。

特にコンビニでは、商品の入れ替わりが極めて激しく、売れない商品は即座に店舗から消えます。それは、コンビニは店舗面積が狭く、陳列スペースが限られていることから、売れない商品をいつまでも置いていては全体の売上減に直結するためです。

また、コンビニではPOSと言うシステムを導入しており、あらゆる商品の商品名や売れ行き、販売日時などの詳細なデータを取っているため、一定期間(それもかなり短い期間)で一定の売り上げがない商品は即座に扱ってもらえなくなります。

あなたも、少し前に買ったお菓子をもう一度買おうと思ってコンビニに行ったら、既に売られていなかった…という経験をしたことがあるのではないでしょうか。

言い換えれば、コンビニで何ヶ月にもわたって売られている定番商品と言うのは、スーパーやその他のお店でも売れていると考えられます。コンビニの中で定番商品をいくつも置かれているメーカーは、そうでないメーカーに比べて業績が良い可能性が高いと考えられます。

4-2.飲食店やコーヒーチェーンなどの店舗

飲食店やコーヒーチェーンを展開する企業であれば、コンビニと同様に、実際に足を運んでみましょう。そのお店の雰囲気や賑わい、店員さんの接客の様子など、ネットで調べるだけでは決して得られない生の情報が得られます。

例えば、インターネットで調べると、とても順調に業績を伸ばしているように見える企業であっても、実際に自分自身で体験した時に「あれ?」と思うようであれば、それは投資を控えるべきというサインかもしれません。

逆のことも言えます。インターネットの情報では、業績が芳しくないが、実際に足を運んでみると、店員さんは親切で味も良く、何よりお客さんであふれている…ということもあります。このような場合は、業績の低迷を受け、企業が本気で立て直しを図っている真最中なのかもしれません。こうした企業の株を今のうちに買っておけば、効果が表れ始めて業績が回復し、それに伴って株価が上昇してきた時に、大きな利益となって帰ってきます。これこそ、自分の体を使ってできる最高の調査であり、なおかつ、個人投資家でも行える調査と言えます。

また、季節や曜日、あるいは時間帯など、条件を変えて何度か足を運んでみるとなお良いでしょう。そうすることで、よりリアルな情報を得ることができます。あるいは、もし可能であれば、地域も変えてみるというのも良い方法です。

その企業の店舗において、都市部では大いに賑わっていても、地方部では閑散としているかもしれません。そしてもし、その企業の主な出店エリアが地方部であるならば、どれだけ都市部で賑わっていても、多くの地方部の店舗が閑散としていては、将来的な成長は難しいかもしれません。

いずれにしても、上記のように、そんなに手間をかけることなく、自分の目で確かめることができる状況なのであれば、やらない手はありません。TVや雑誌で専門家が何と言っていようと、お客さんであるあなたの経験に勝る情報源はありません。

おわりに

いろいろと書いてきましたが、いかがだったでしょうか。個人投資家であっても、できる事はたくさんあると気づいて頂けたでしょうか。

情報社会の現代において、機関投資家と個人投資家を隔てる情報格差は、確実に埋まってきているように感じます。今後も埋まることはないであろう最大の差は、冒頭でも述べたとおり関係者に話を聞けるか否かだけだと思います。実際、話を直接聞けることのメリットは計り知れません。

ですが、それだけです。たったそれだけのことが、勝負の明暗を分けるとは思えません。実際、プロでも損失を出すのです。ごく一般的な個人の投資家であっても、上で述べた情報源を頼りに自分自身でしっかりと企業を分析すれば、株式投資で利益を上げることはできます。

あとはそれをやるかやらないか、だけです。

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