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株式投資編

ここでは「株式投資」について書かれた書籍のうち、極めて有益である、あるいは分かりやすいと思うものを厳選して紹介しています。

どの本も、いわゆるテクニック論にはあまり触れられておらず、どちらかと言えば、投資家として成功するための心構えや考え方について書かれているものが多いです。専門書は高額なものが多いですが、どれも一流の投資家について書かれた書籍であるため、手元に置いて何度でも読み返すべき良書ばかりです。

紹介している書籍が多いため、気になった書籍をまずは1冊購入し、読んでみることをお勧めします。

1.完全なる投資家の頭の中 ~マンガーとバフェットの議事録~

著者:トレン・グリフィン 訳:井田京子

第1章:グレアム式バリュー投資システムの基礎
第2章:グレアム式バリュー投資システムの原則
第3章:智慧
第4章:間違いを犯す心理
第5章:必要不可欠な資質
第6章:グレアム式バリュー投資システムの八つの変数
第7章:会社経営において必要不可欠な資質

この本は、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの副会長であるチャーリー・マンガー(会長はウォーレン・バフェット)の投資哲学について書かれた本です。一般に、世界一有名な投資家と言えば、真っ先に名前が挙がるのがウォーレン・バフェットであり、チャーリー・マンガーが表に出てくることはあまりありませんが、この人こそ、ウォーレン・バフェットの成功を陰で支え続けた投資参謀と言えます。

この書籍では、マンガーの実際の発言がちりばめられており、彼の投資哲学に触れることができます。特に必読と考えられるのが「第4章:間違いを犯す心理」でしょう。これは本当におすすめです。

2.億万長者を目指す バフェットの銘柄選択術

著者:メアリー・バフェット、デビット・クラーク 訳:井手正介、中熊靖和

基礎編 バフェットの銘柄選択
 第1章:市場からの永遠の贈り物 -短期指向と悪材料現象
 第2章:バフェットが重視する優良企業とは
 第3章:コモディティ型企業は避けよう
 第4章:消費者独占型企業とは -バフェットの富の源
 第5章:消費者独占型企業を見分ける8つの基準
 第6章:消費者独占型企業の4つのタイプ
 第7章:絶好の買い場が訪れる4つのケース
応用編 バフェットの方程式
 第8章:なぜ安値で買うことが大切なのか
 第9章:利益は安定して成長しているか
 第10章:買値こそ投資収益率の鍵を握る
 第11章:利益成長率から見た企業の実力
 第12章:国債利回り以下では投資と呼べない
 第13章:バフェットが高ROE企業を好む理由
 第14章:期待収益率の水準で投資を判断する
 第15章:コカ・コーラ株の期待収益率と実績
 第16章:疑似債券として見た時の株式
 第17章:利益成長率から期待収益率を求める
 第18章:自社株買戻しが株主の富を増やす仕組み
 第19章:本業による利益成長か財務操作か
 第20章:経営陣の投資能力評価
 第21章:インターネット時代のアービトラージ戦略
 第22章:バフェット流投資のためのワークシート
 第23章:3つのケーススタディ

この本は、タイトルの通り、ウォーレン・バフェットが株式を購入する上で企業のどこをどのように見ているのか、あるいは、どのような企業に投資すべきなのか、と言う事が極めて詳細に書かれています。それに加えて、そうして見つけたスーパースター企業の株をいつ買うべきなのか、と言う事についても詳細に述べられています。

この本の著者であるメアリー・バフェットとデビット・クラークは、バフェットの投資術に関する書籍を多数執筆しており、いずれもベストセラーになっています。

当サイトで紹介する株式投資本は精神論や投資哲学について書かれたものが多いですが、本書は数少ない「方法論」に特化した内容になっています。どのような企業を探すのかという疑問には、この一冊が全て解決してくれると思います。

当サイトで投資の方法論について書かれている書籍の紹介がなぜ少ないのかと言えば、方法論よりも精神論が重要であると考えていることは勿論ですが、方法論に関して言えば、この一冊で十分だと言っても過言ではないと考えているためです。それほど、内容の濃い良書だと思います。

基礎編をじっくりと読むだけでも、どのような企業に、どのタイミングで投資をすべきなのか、という大まかな指針を得ることができます。ファンダメンタルズ分析に基礎を置いて投資をする全ての投資家に、繰り返し読んでほしい良書です。

3.投資で一番大切な20の教え ~賢い投資家になるための隠れた常識~

著者:ハワード・マークス 訳:貫井佳子

1:二次的思考をめぐらす
2:市場の効率性(とその限界)を理解する
3:バリュー投資を行う
4:価格と価値の関係性に目を向ける
5:リスクを理解する
6:リスクを認識する
7:リスクをコントロールする
8:サイクルに注意を向ける
9:振り子を意識する
10:心理的要因の悪影響をかわす
11:逆張りをする
12:掘り出し物を見つける
13:我慢強くチャンスを待つ
14:無知を知る
15:今どこにいるのかを感じとる
16:運の影響力を認識する
17:ディフェンシブに投資する
18:落とし穴を避ける
19:付加価値を生み出す
20:すべての極意をまとめて実践する

この本は、投資をする上で最も大切な「投資哲学」とでも言うべきものを、20の項目に分けて詳細に記述されています。本文中にもありますが、これはいわゆるハウツー本ではなく、投資を確実に成功に導くレシピが載っているわけでもありません。

著者の投資哲学、信条などが延々と書かれています。それゆえに、概念的な内容が多く、難解な箇所もあります。しかしながら、名著です。ウォーレン・バフェットも「極めて稀に見る、実益のある本」として本書を大絶賛したようで、本人が大量に購入し、バークシャー・ハサウェイの株主総会で配布したほどです。

どの項目をとっても有益の一言に尽きますが、あえておすすめの項目を挙げるとすれば「10:心理的要因の悪影響をかわす」でしょう。株式投資で失敗する原因の大部分が、心理的な誘惑に負けることにあるからです。自分自身の経験を思い返しながらここをしっかりと読むことで、主観的ではなく客観的な判断に基づいた投資ができるようになります。

この本は、これから投資を始める人よりも、既に投資経験のある方が読む方が得るものは大きいと思います。自分の投資哲学を固めたい全ての投資家が、悩んだ時にヒントをくれる一冊です。

4.史上最強の投資家バフェットの財務諸表を読む力 ~大不況でも投資で勝ち抜く58のルール~

著者:メアリー・バフェット、デビット・クラーク 訳:峯村利哉

1 バフェット流 利殖術の要諦
2 バフェット流 損益計算書の読み方
3 バフェット流 貸借対照表の読み方
4 バフェット流 キャッシュフロー計算書の読み方
5 永続的競争優位性を持つ企業の評価法

この本は、タイトルの通り、ウォーレン・バフェットが財務諸表を見る際にチェックしているポイントが網羅的に書かれています。ただし、財務諸表を見る上でのポイントが詳細に書かれているだけではありません。

第1章、第5章において、バフェットがどのような企業に投資しているのか、永続的競争優位性を持つ企業とはどのような企業なのかといったことから、株の買い時、売り時についても言及されています。この一冊を読めば、財務諸表の読み方に加え、投資すべき優れた企業とはどのような特徴を持っているのか、といったことまでざっくりと学ぶことができます。

また、この本の特徴として、各項が2~5ページ程度で構成されており、文章量が少なく簡潔に書かれていることが挙げられます。そのため、大変読みやすく、分かりやすいです。

財務諸表をただ闇雲に調べるのではなく、見るべきポイントのみをきっちり押さえることができれば、深い分析ができると同時に、時間の節約にもなります。深く、そして早く企業分析をしたい人にお勧めです。

5.賢明なる投資家 ~割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法~

著者:ベンジャミン・グレアム 訳:増沢和美、新美美葉

第1章:投資と投機 -賢明なる投資家が手に入れるもの
第2章:投資家とインフレーション
第3章:株式市場の歴史 -一九七二年初めの株価
第4章:一般的なポートフォリオ戦略 -保守的投資家
第5章:防衛的投資家のための株式選択
第6章:積極的投資家の分散投資 -消極的な方針
第7章:積極的投資家の投資 -積極的な方針
第8章:投資家と株式市場の変動
第9章:投資ファンドへの投資
第10章:投資家とそのアドバイザー
第11章:一般投資家のための証券分析
第12章:一株当たり利益に関して
第13章:上場四企業の比較
第14章:防衛的投資家の株式選択
第15章:積極的投資家の株式銘柄選択
第16章:転換証券とワラント
第17章:特別な四社の例
第18章:八組の企業比較
第19章:株主と経営陣 -配当方針
第20章:投資の中心的概念「安全域」

この本は、言わずと知れた株式投資のバイブルです。著者は、バリュー投資の生みの親であるベンジャミン・グレアムであり、ウォーレン・バフェットの師匠にあたる人物です。この本の冒頭では、ウォーレン・バフェットが「父以外に、最も影響を受けた人」というタイトルで序文を書いています。

この本では、投資と投機を明確に定義し、その違いを明らかにしています。そして、投資の原則を、20章に分けて詳細に説明しています。

本書の初版は1949年と、今から約70年前ですが、この本に書かれている投資の原理原則は全く廃れておらず、おそらく今後廃れることもないでしょう。そして何より、主張が単純明快です。特に「第20章:投資の中心的概念「安全域」」は、すべての投資家が頭に叩き込んでおくべき内容でしょう。

内容が難解な箇所があり、初心者向けではないかもしれませんが、例えば第1章を読むだけでも、投資の原則が理解できると思います。株式投資をするのであれば、必ず手元に置いておきたい古典的名著です。

6.株式投資で普通でない利益を得る

著者:フィリップ・A・フィッシャー 訳:井田京子

第1章:過去から学べること
第2章:「周辺情報利用法」から分かること
第3章:何を買うべきか -株について調べるべき一五のポイント
第4章:どんな銘柄を買うべきか -自分のニーズに合う株を買う
第5章:いつ買うべきか
第6章:いつ売るべきか -そして、いつ売ってはならないか
第7章:配当金をめぐるさまざまな言い分
第8章:投資家が避けるべき五つのポイント
第9章:ほかにも避けるべき五つのポイント
第10章:成長株を探す方法
第11章:まとめと結論

この本の著者は、バリュー投資の祖であるベンジャミン・グレアムと並び称されるほど有名な投資家で、成長株投資のパイオニアであり、現代投資理論を確立した一人と言われています。

ウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーも、この人の投資哲学を受け継いでいます。この本では、著者であるフィッシャーが、今後大きな成長が期待できる株を購入するために調査している内容が詳細に書かれています。ただし、その方法論はプロの投資家としての立場に立脚しているため、一般的な個人投資家が同じように実践することは難しいです。

しかし、それでも、今後長期的な成長が見込まれる「成長株」を探すための具体的、且つ廃れることのない原則が書かれているため、成長株投資で利益を上げたいと考えている投資家には必読の一冊です。

個人的には、第9章で書かれている「分散投資の方法」は、全ての投資家にとって一読の価値があると思います。分散に対する考え方が論理的に書かれており、ただ闇雲に多くの企業に分散すれば良いのではないということがよく分かります。

7.株で富を築くバフェットの法則 ~不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法~

著者:ロバート・G・ハーグストローム 訳:小野一郎

第1章:世界最高の投資家はどのように生まれたか
第2章:バフェット流投資の原点
第3章:12の原則で事業を買う
第4章:9つのケーススタディで学ぶバフェットの投資法
第5章:バフェットのポートフォリオ管理
第6章:バフェットの投資心理学
第7章:投資に必要な忍耐力
第8章:なぜバフェットだけが偉大な投資家になれたのか

この本は、ウォーレン・バフェットの投資法を20年以上にわたって研究し続け、自身のファンドでも卓越した成績を収めた著者が、バフェットの投資方法や投資哲学について一冊にまとめたものです。本書の冒頭には、先に紹介した「投資で一番大切な20の教え」の著者であるハワード・マークスが寄稿文を寄せており、それだけでも読む価値があると思います。

本書が他の書籍と少し異なるのは、株式投資で必要となる精神論と方法論が一冊にまとまっているという点です。両者の良い所取りをしているにもかかわらず、どの章をとっても内容は濃く、まさに良書と言うにふさわしいでしょう。

また、バフェットの生誕から現在の投資スタイルにたどり着くまでの変遷も示されており、まさに「バフェットを知る」には最高の一冊です。バフェットの投資スタイルを大まかに学びたい人にとっては、最初に読む書籍としては最適でしょう。

8.ピーター・リンチの株の法則 ~90秒で説明できない会社には手を出すな~

著者:ピーター・リンチ 訳:平野誠一

第1章:聖アグネスの奇跡 -アマチュアでも勝てる!
第2章:週末の不安に負けない
第3章:投資信託では何を選ぶべきか
第4章:一三年間で資産規模を七七七倍に育てる<前期> -解約の嵐の中、中小型株で稼ぐ
第5章:一三年間で資産規模を七七七倍に育てる<中期> -銘柄選択の究極の目標は、掘り出し物を見つけること
第6章:一三年間で資産規模を七七七倍に育てる<後期> -外国株投資とブラック・マンデー後の復活
第7章:銘柄選択とは、芸術、科学、地道な情報収集によるものである
第8章:小売株は、ショッピング・モールで探せ!
第9章:誰でも分かる外食株を買う基準を授けよう
第10章:不動産市場が急落したら、家具店や園芸店に目を向けろ
第11章:体験に勝る調査はない -格安理容店で危機一髪!
第12章:荒野の七人 -さえない業界の素晴らしい企業
第13章:素晴らしき哉、S&L株!
第14章:上り調子で最も値上がりする循環株を選び抜け
第15章:公益株は長期の視点で判断しよう
第16章:政府資産のガレージセール
第17章:私のファニーメイ日誌 -最も情熱を注いだ銘柄の一六年間の記録

この本の著者は、マゼランファンドという自身が運用するファンドについて、運用開始時に1800万ドルだった資産規模を、13年間で777倍の140億ドルに育てた伝説のファンドマネジャーです。

この本の中では、目次からも分かる通り、著者の13年間のファンドマネジャーとしての経験をもとに、株式を選定するための方法や、その具体的なプロセスを詳細に示してくれています。個人的には「第1章:聖アグネスの奇跡」に示されている子供たちの運用規則が必読だと考えます。とても基本的な内容でありながら、プロでも疎かにすることが多々ある規則であると書かれています。アマチュア(それも子供)がプロに勝てるという事が、実例をもって紹介されています。

全体を通した内容としては、機関投資家としての方法論がメインであるため、個人投資家が実践することは困難ではありますが、いわゆる小手先のテクニックではなく、まさに本質が書かれています。一読の価値ありです。

9.千年投資の公理 ~売られすぎの優良企業を買う~

著者:パッド・ドーシー 訳:井田京子

第1章: 経済的な堀 -経済的な堀の定義とそれを使って優れた株を選択するための方法
第2章:誤解されている堀 -幻の優位性にだまされるな
第3章:無形資産 -棚から取り出せるものではないが、間違いなく価値がある
第4章:乗り換えコスト -しつこい顧客は面倒ではなく黄金だと思え
第5章:ネットワーク効果 -非常に強力で、一章を割く価値がある
第6章:コストの優位性 -賢くなるか、地理的に近くなるか、ユニークになれ
第7章:規模の優位性 -きちんと把握していれば、大きいことは良いことだ
第8章:浸食される堀 -優位性を失って立ち上がれない
第9章:堀を探す -外はジャングルだ
第10章:ビッグボス -経営陣の影響は思ったほど大きくない
第11章:肝心なこと -比較分析の五つの例
第12章:堀の価値はどのくらいか -最高の企業でも買値が高すぎればポートフォリオを傷つける
第13章:評価のためのツール -割安株を探す
第14章:いつ売るか -賢い売りが高リターンにつながる

この本では、ウォーレン・バフェットの投資手法をベースとして著者が構築してきた投資の方法論について、詳細に書かれています。

この本は、投資哲学よりもむしろ具体的な銘柄選択の方法論が示されており、それらの内容は全て「経済的な堀を持った優良企業を探し出すこと」を目的としています。また、経済的な堀とは何かといった定義から、堀を形成する要因をいくつかのパターンに分類し、それぞれ詳細に説明されています。

第2章では「一見強力な堀と見えるが、実際はそうとは言えないもの」について具体的に書かれており、自分が企業分析を行う際に誤った判断をしないよう注意することができます。一般に、堀を探す作業は定性的な分析になることから、初心者には困難を伴いますが、この本で定性分析のためのフレームワークを構築することで、一定の指針に沿った企業分析ができるようになります。

これまで定量的な分析を中心としてきた投資家の方は、この本を読んで定性分析の方法論を取り入れることで、より詳細な企業分析ができるようになるでしょう。

10.知ってそうで知らなかったほうとうの株の仕組み

著者:山口揚平

第1章:株式投資で儲けるしくみ
第2章:「価値」ってなに?
第3章:企業の価値を暴き出せ!
第4章:価値の「源泉」を見抜くには?
第5章:なぜ株価は上がるのか?
第6章:感情の罠にはまらないために

この本の著者は、大手コンサルティング会社でM&Aに従事した後に独立した方で、いわば企業価値評価のプロです。この本では、企業の「価値」に焦点を絞り、そもそも企業価値とは何か、といったことから企業価値の簡易的な算出方法、さらには将来的に価値が向上する企業を分析するための方法までまとまっています。

この本を読めば、企業価値をざっくりと算出できるようになります。私は、簡易的に企業価値を算出する際、本書に示される方法で算出しています。本書で詳しく書かれていますが、慣れれば、5分ほどで算出できます。

また「第4章:価値の「源泉」を見抜くには?」の中では、企業が収めた成績(結果)の原因・理由を追求することの必要性を述べており、これは全ての投資家が実践すべき事項と言えます。

企業の適正株価をもとに投資判断をしたい人には大変おすすめです。

11.お金は「歴史」で儲けなさい

著者:加谷珪一

第1章:100年単位で株価はこう動く
第2章:インフレ時代を前に知っておくべきこと
第3章:戦争と株価の不都合な真実
第4章:バブルは利用するもの
第5章:イノベーションで儲ける鉄則
第6章:金と石油、そして通貨をめぐる攻防
第7章:長期投資は安全に儲かるのか
第8章:未来を見据えた投資戦略

この本は、過去130年という超長期の株価チャートを用いて、歴史上の主要な出来事と株価の関係を時系列で示し、①株価は短期的に見ればランダムな動きをするが、長期的にはある一定の期間においてトレンドを形成するということ、②歴史は繰り返す、という事の2点を示してくれています。

株は将来に投資する経済活動ですが、未来は予測できないこと、そして未来は過去の蓄積により作られるものであることを考えれば、株式投資を行う上で歴史を学ぶことは必須ではないでしょうか。

未だ来ぬ「未来」を必死に予測するよりも、過ぎ去った「過去」から学ぶ方が、はるかに簡単だと思います。歴史を学んでも未来を予測することはできませんが、未来に備えることはできるようになります。

個人的には、第1章第7章だけでも読む価値があると思います。いつか来る大暴落に備える上で、歴史を学ぶ以上に有益なことはありません。将来に備えた健全な投資をしたい投資家は、ぜひ手に取ってみてください。

12.勝つ投資 負けない投資

著者:片山晃、小松原周

第1部:勝つ投資編…個人投資家 片山晃(五月)
 第1章:デイトレはそろそろ限界かもしれない
 第2章:株式投資で勝つための銘柄選別法
 第3章:買い方、売り方、見分け方のポイント
第2部:負けない投資編…機関投資家 小松原周
 第4章:株式投資の基本
 第5章:プロはこうして銘柄を選ぶ
 第6章:ポートフォリオの組み方と勝つ投資家のメンタル

この本は、最強の個人投資家である片山晃さんと、最強の機関投資家である小松原周さんが、それぞれの立場から株式投資について論じた本であり、第1部を片山さんが、第2部を小松原さんがそれぞれ執筆されています。

この本では、両氏の具体的な投資手法は勿論のこと、個人投資家、機関投資家それぞれの強み、弱みが詳細に書かれており、個人投資家が機関投資家に如何にして勝つかという点がよく理解できます。そういう意味では「第1部:勝つ投資編」だけでも読む価値があるでしょう。

個人投資家が利益を上げるための1つの方法論が理解でき、且つそれが特別な能力や技術を必要とするものでもないため、個人はプロには勝てないと思い込んでしまっている人は、一度手に取ってみると良いと思います。

13.勝てるROE投資術

著者:広木隆

第1章:そもそもROEとは何か -いちから学ぶROEの基本
第2章:ROE投資術 実践編① -高ROE銘柄を、買ってはいけない
第3章:ROE投資術 実践編② -原データに触れ、手を動かす
第4章:ROE革命の死角① -配当・自社株買いとROEの関係再考
第5章:ROE革命の死角② -コーポレートガバナンスと21世紀の資本論
第6章:やっぱり前を向く -結びにかえて投資の極意

この本は、ROE(自己資本利益率)というたった1つの財務比率について、徹底的に書かれています。この本を読めば、株式投資において最も重要な指標の1つであるROEについて、自分が如何に理解できていないかを痛感することでしょう。特におすすめなのは「第2章:高ROE銘柄を買ってはいけない」です。タイトルだけ見れば「え、なんで?」と思ってしまいそうですが、読めばその意味するところが理解できます。

ただ漠然と、高ROE銘柄=有望な銘柄と考えて投資をしている人にとっては、多少耳が痛い内容ではありますが、何かを深く理解するとは、そういう事なのだと思います。1つの比率で本が1冊書けてしまうくらいに奥が深いのです。他の指標(例えば、PERやPBR)でも同じことだと思います。

ファンダメンタルズ分析に基礎を置いて株式投資を行うのであれば、その第1歩として、本書を読んでまずはROEの専門家になってみてはいかがでしょうか。

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