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会社四季報を120%有効活用したいなら、四季報の「公式ガイドブック」を1冊持っておくべき

会社四季報は思った以上に使えます。極めて簡潔ながら、企業をざっと分析する上で必要な情報はすべて揃っていると言っても過言ではありません。

しかし、簡潔であるがゆえに、絵文字(通称ニコニコマークとダメダメマーク)や独特の表現(業績欄の見出しで使われる【連続最高益】や【独自増額】など)が数多く使われています。四季報を120%有効活用するためには、こうした独自の表現の意味するところを正確に理解しておく必要があります。

例えば、業績欄の見出しで使われる表現の中で、【最高益】と【連続最高益】については純利益が対象であり、それ以外の表現では原則として営業利益が対象になっていることをご存知でしょうか。企業の営業利益と純利益は、どちらも重要な利益でありながら、その意味するところは大きく異なります。

このように、四季報を読みこなして有効に活用するためには、いろいろと知っておいた方が良いことがたくさんあります。そして、その「知っておいた方が良いこと」をまとめた「ガイドブック」が存在します。

この記事では、会社四季報を実際に作成している編集部が書いた、四季報の「公式ガイドブック」と位置付けられている書籍を紹介します。そして、この書籍が四季報を読む上でとても役に立つという事を述べます。また、それとは別に、これから株式投資を始めようと考えている方、あるいは株式投資を始めて間もない方にとって、この「公式ガイドブック」が最適な入門書になるということについても書いていきます。

1.会社四季報には公式ガイドブックが存在する

会社四季報に公式のガイドブックが存在することをご存知でしょうか?それは「株で勝つ! 会社四季報超活用法」という書籍のことで、東洋経済新報社の会社四季報編集部が執筆したものです。つまり本書は、実際に四季報を作っている人たちが書いた、四季報を有効に活用するためのガイドブックという事になります。

私は、以前は紙版の四季報を使用していませんでした。証券口座を開設すれば無料で見られるため、わざわざお金を出して紙版を買う必要はないと考えていたからです。また、内容があまりにも簡潔であるため、企業をじっくりと分析する上では情報が不足します。

そのため、私が紙版の四季報を購入した当初の目的は、企業分析の手段としてではなく、自分の知らない企業を知ることでした。しかし、「結構高かったし、せっかく買ったのだから有効に活用しないともったいないな」と考えるようになり、どうすれば四季報を読みこなせるかと調べてみると、どうやら四季報にはガイドブックが存在するらしい、という情報を得ました。

そんなこんなで、今回ご紹介する「株で勝つ! 会社四季報超活用法」を思い切って買ってみた…というわけです。

これが正解でした。

とても分かりやすくて具体例も豊富なので、四季報を活用する上でとても役に立ちました。まさにガイドブック。また、この書籍のおかげ(?)で四季報の重要性を認識するようになり、同時に、四季報を大好きになりました。

四季報は本当に役に立つため、今後いくつかに分けて、四季報の活用方法について詳細な記事を書きたいと思っています。きっと役に立つと思いますので、記事が公開されたあかつきには、ぜひ読んで頂ければと思います。。

2.「株で勝つ! 会社四季報超活用法」をおすすめする3つの理由

ここでは、四季報の公式ガイドブックである「株で勝つ! 会社四季報超活用法」をおすすめする理由を3つに分けて説明します。

2-1.公式ガイドブックだけあって、四季報を理解するための具体例が豊富で、とても分かりやすい

まず、具体例がたくさん載っています。四季報の活用方法について書かれた書籍であるため、実際の四季報の内容を図表として掲載しながら読み方を解説してくれいています。例えば、以下のような感じです。

(出典:株で勝つ! 会社四季報超活用法 東洋経済新報社、2015.06 編者:会社四季報編集部)

この例では、配当に関する情報が四季報ではどのように示されているかを解説しています。また、配当額を確認する際は、その企業の資本異動(過去に株式分割などをどのタイミングでどの程度行ったか、など)にも注目するべきであるという点についても言及しています。

もう一つ例を挙げておきます。

(出典:株で勝つ! 会社四季報超活用法 東洋経済新報社、2015.06 編者:会社四季報編集部)

こちらの例では、この企業の純損益が赤字になることが予想されていますが、それは構造改革に伴う特別損失が原因であることが示されています。よって、最終損益は赤字でも、ここでは前向きの赤字と捉えることができると解釈しています。その証拠に、本業の収益力を表す営業利益は、前期から大幅な増益予想となっています。

一言に赤字と言っても、将来への成長を見据えた良い赤字(前向きな赤字)と、単に業績が低迷していることに起因する悪い赤字があります。そして、それを四季報から読み取ることができるという事が、この例から分かります。

どの例でも、実際の四季報の記事を抜粋し、それに解説を加える形になっているため、とても分かりやすいと思います。

本書の他の特徴としては、全体をとおして非常に易しい言葉で書かれており、とても読みやすいという事が挙げられます。難しい言葉はあまり出てきませんので、初心者の方にもおすすめできます。また、2-2.で述べるとおり、本書は四季報の読み方にのみ言及しているわけではありません。

四季報を読むためには、株式投資に関する最低限の知識が必要です。例えば、決算書類の読み方や各種財務比率(PERやPBR、ROEなど)の意味、あるいは、企業を分析する上で注意して確認しなければならないものは何か…などです。

本書では、上記のような「株式投資に必要な基礎的な知識」の解説もしてくれています。そのため、このガイドブックはこれから株式投資を始めようと考えている方、あるいは株式投資を始めて間もない初心者の方に特におすすめできます。

2-2.株式投資に必要な基礎知識が一通り学べる

上でも少し触れましたが、この書籍の良いところは四季報の読み方のみを全ページにわたって解説しているわけではない、という点です。

以下に、目次の一部を抜粋します。

第3章:健全な会社はどう探す?
01 貸借対照表(BS)のここをチェック!
02 自己資本比率の増減には要注意
03 利益剰余金と債務超過
04 注意すべき営業CFの赤字と資金繰り
05 倒産や上場廃止のリスクはここに表れる
06 格付けもチェックしておこう
07 金融機関の安全性はここを見る

第4章:儲かっている会社はどう探す?
01 損益計算書のツボを押さえよう
02 営業利益は会社の真の実力を示す
03 経常利益でグループ全体の実力を知る
04 自己資本の増加に直結する純利益
05 『四季報』では配当も独自予想
06 IFRSについても知っておこう
07 よい見出しと悪い見出しの見分け方
08 「業績欄」で質のチェックを忘れずに!

ここでは、第3章と第4章の目次を抜粋してみました。これを見て頂ければ分かるとおり、四季報の読み方に加え、株式投資をする上で必要な基本事項を網羅した内容となっています。本書の特徴は、まず基本的な項目について解説し、その後で「そのことは、四季報ではこんな風に書いていますよ」というような構成になっている点にあります。

上記の目次内容の他にも、

  • 四季報独自の業績予想が、何を根拠に、どのように作られているのか
  • PBRやPBRなどの各種比率の解説
  • チャートの見方や移動平均線など、テクニカル分析の基本事項
  • その他

などなど…多くの情報が1冊にまとまっています。そのため、会社四季報を買うかどうかは別として、これから株式投資を始めようと考えている人の1冊目の参考書籍としてもおすすめできます。もちろん、この1冊で足りるわけではありませんが、「まずは株式投資で必要な基礎知識を学びたい」という方にはうってつけだと思います。

株式投資に必要な知識を学びながら、同時に会社四季報の読み方も学べる…というイメージです。ただし、本書では広く解説がなされている代わりに、一つ一つの説明に紙面を多く割いているわけではありません。例えば、PBRやPERについて解説がなされていますが、これを読んだだけでPBRやPERを使いこなせるようになるわけではありません。

そのあたりは、他の書籍で勉強するか、当サイトを活用して頂ければと思います。当サイトでは、企業財務分析の方法や財務諸表の読み方などについて書いています。まだまだ記事数が少ないですが、これから順次更新していく予定です。

2-3.いろいろと勉強になるので、投資戦略の幅が広がる

本書に書かれているのは、基本的な内容ばかりです。ですが、だからといって侮ってはいけません。頭では分かっているつもりでも、改めて読み返してみると、実はきちんと理解できていなかった…なんてことはよくあります。本書を読んで「こんなことも知らなかったのか、自分」と何度反省したことか…。

「基本」とは「簡単なこと」という意味ではなくて、「100%理解しなければならないこと」であると昔教わりました。そう考えると、本書に書かれている内容は、原則としてすべて理解しておかなければならないと言えます。もちろん、投資スタイルに応じて必要な知識は異なるため、そこは柔軟に取捨選択すればよいと思います。

入門書であっても、時間を置いて何度か読み返してみると、その都度いろいろと発見があるものです。自分がこれまでまったく意識していなかったような小さな発見から、新しい投資戦略を思いつくかもしれません。

例えば、本書の中に以下の一文が載っています。

配当は、個人だけでなく、機関投資家を含め、中長期保有の投資家が重視する指標です。よほど成長期待の高い会社でなければ、無配が続くと予想される会社は、ファンドなどには組み込まれません。

(出典:株で勝つ! 会社四季報超活用法 東洋経済新報社、2015.06 編者:会社四季報編集部)

特別なことではなく、極めて当たり前のことのように思いますが、私はこのことを知りませんでした。というより、意識したことがありませんでした。本書で上記の事実を知り、確かにそうだろうな、と納得しました。

そして同時に、こう考えました。

「逆に言えば、無配が続くと予想されているにも関わらず機関投資家(外国人投資家含む)が大株主として登場していたら、その企業は将来の成長がかなり期待されているという事の証拠になる。もしそうなら『①安定的に売上と利益が伸びている企業の中で、②無配の、③機関投資家の株式保有比率がじわじわ上がってきている企業』が、近い将来大化けするかもしれない。この戦略は使えるぞ」

この考えが正しいのか分かりませんし、実際に利益を出せるのかも分かりません。おまけに、極めて単純な発想です。ですが、私にとっては目から鱗でした。

というのも、私は今まで配当(インカムゲイン)を重視したことがなく、したがって、無配か高配当かという視点で投資先を選んだことがありませんでした。ですが、上記のような発見によって「配当」というものに対して、インカムゲインとは別の見方ができるようになりました。

というわけで、今後投資先を検討する際は、これまで意識していなかった「配当の有無と、大株主の構成」にも着目して分析する必要が生じたことになります。ただ、「無配で機関投資家が大株主にいれば、必ず株価が上がる」わけではもちろんありませんので、どこまで重要視するのかは未定です。

ですが、上記のような分析も、四季報を読めば必要な情報はすべて確認できるので、手間が増えるわけではありません。ちらっと確認する程度のことです。手間は増えずに取り得る戦略の幅が広がるというのが、四季報を使いこなせるようになることの1つの大きなメリットかもしれませんね。

3.公式ガイドブックを持っていなくても四季報は活用できるが、持っているとかなり便利

ここまで書いてきたとおり、会社四季報を使いこなしたければ、公式ガイドブックがあると便利です。もちろん、四季報それ自体にも「会社四季報の見方・使い方」は載っているので、それを読めば最低限のことは分かります。ですが、これは「どこをどのように見るべきか、どこが重要なのか」と言った視点での説明はありません。

そのため、四季報を活用して株式投資をしてみようかな、と考えている方には、公式ガイドブックも合わせて購入することをおすすめします。

ちなみに余談ですが、四季報の購入を検討しているのであれば、ワイド版を購入することをおすすめします。以下に、この記事を投稿した時点(2018.04.04)での最新版の四季報のリンクを貼っておきます。実際に購入される際は、その時点での最新版を確認してください。

通常版の四季報でもまったく問題ないのですが、兎にも角にも、字が小さい。これだけが難点です。仕方のないことなのですが、読んでいて疲れます。ただでさえ細かな数字と格闘しなければならないのに、その数字が小さな文字でびっしりと書かれていると、数社確認しただけで疲れてしまいます。そのため、個人的にはワイド版を推奨しています。

ただ、ワイド版にはワイド版の悩みがあります。まず、値段が高いです。通常版は2,060円(税込、2018.04.04時点)ですが、ワイド版は2,570円(税込、2018.04.04時点)です。次に、大きくて重いです。そのため、カフェや図書館に持って行って読みたい方にはキツイでしょう。

ワイド版のメリットとしては、何と言っても読みやすい!これに尽きます。そのためだけにワイド版を購入しています。ワイド版限定のマル秘「袋とじ」なるものもついていますが、これはまぁ、参考にする場合とそうでない場合がありますので、ここではあまり推さないことにします。

なんだか、ワイド版を推奨しているにもかかわらず、メリットよりもデメリットを強調したような感じになってしまいました。ですが、事実なので仕方ありません。

おわりに

仮に、ガイドブックと四季報(勝手にワイド版を想定)をどちらも購入すると考えると、2018.04.04時点で税込4,190円(=1,620円+2,570円)となります。決して安い買い物とは言えません。そのため、買って満足するのではなくて、しっかり勉強して、株式投資でこの金額以上の利益を出しましょう。

一度でも利益を出せれば、あなたは書籍を無料で手に入れることができる上に、今後長期的に収益を得るための基礎的な知識・技術も身につけたことになります。たった一度、勝てばよいのです。

これから株式投資を始める方は、まずは本書を使って基礎知識を身につけ、投資の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

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